会場がある三条市井栗地区に避難勧告が出て、夕方に中止が決まりました。
じつは26日に長岡で「災害と妖怪」という講演をしていて、
この講演が決まったのが二月のことで、決まった早々に三月の地震があり、
今このタイトルで話すべきではないのではないかと悩みました。
新潟県内には、実にこうした災害にまつわる妖怪の話が多いのです。
三条で、一番大変だったのは五十嵐川の決壊ですよね。
この川の上流にある池には大蛇が住んでいたと言われています。
この大蛇と笠堀の豪族の娘の間に生まれたのが
「五十嵐小文吾」という伝説の豪傑です。
五十嵐川は、昔から暴れ川でたびたび水害を起こしていたのにもかかわらず
縄文時代から、もしかしたらもっと昔から川の周りに人が住んでいました。
そして、恐ろしい池の主と恋愛して子どもまで生まれています。
川をあなどると恐ろしい。
けれども川には何か人を引き付ける魅力があり、恵みがあったのではないでしょうか。
そして、安心していると、また狂ったように暴れ出す…
信じていた自然が暴れ出すとき、それは気まぐれな妖怪の仕業なのかもしれません。